湯浅町の年齢構成を調べてみたら、70代が町の“主役”だった話

和歌山県有田郡湯浅町で最も多い年齢層はどこなのかを調べたうえで、有田市・広川町・有田川町など周辺市町村との比較、さらには室戸市(高知県)や一戸町(岩手県)といった人口規模が近い町とも比べてみました。この記事では、湯浅町の高齢化の特徴や年齢構成の偏りから、町の現在地と変化の方向性までを考えています。


このページで考えたいこと

和歌山県有田郡の湯浅町で、一番人数が多い年齢層はどこなのか。
これがこの記事の出発点です。

せっかくなので、湯浅町単体で見るだけじゃなく、周辺市町村や、人口が近い他県の町とも比較してみます。
湯浅の“今”がどこにあるのか、輪郭が少し見えてくるかもしれないと思ったからです。


前提として確認しておきたいこと

年齢層は5歳きざみの区分で見ています。
データのもとになっているのは2020年の国勢調査。

住民基本台帳とは数字や山の形が若干違う場合もありますが、町全体のバランスや傾向を考えるには、この区分が見やすいと感じています。


湯浅町で一番多い年齢層は「70〜74歳」

まずは結論から。
湯浅町で最も多い年齢層は70〜74歳です。

答えが出た瞬間、私の頭には次の問いが浮かびました。

なぜここがいちばん多いのか?
湯浅町だけがそうなのか?
近くの市町村はどうなのか?
人口規模が同じ他の町と比べたらどう見えるのか?

検索している人も、おそらく似たような疑問を持っているんじゃないでしょうか。


湯浅の町を歩いてみると、70代前半が真ん中に見えてくる

湯浅町は生活の動線がはっきりしています。

国道42号
湯浅インターチェンジ
JR湯浅駅

このあたりを軸に、暮らしがまわっている印象があります。

たとえば、オークワ湯浅店。
平日の昼間に行くと、歩く速さや買い物の仕方に、ゆったりとした時間が流れています。
まとめ買いというより、日々の暮らしの補給。
ここで最も多い世代が70〜74歳だと聞くと、不思議と腑に落ちます。

公共施設の空気も似ています。

湯浅町役場の窓口が混む時間帯
町民体育館や湯浅スポーツセンターの利用者層
図書館の静かな時間

若者がいないという意味ではなく、「町の真ん中にいるのは誰か」が自然と見えてくる場面です。


周辺市町村を比べると見えてくる、70代前半という共通点

湯浅町の生活圏は、有田市、広川町、有田川町とゆるやかにつながっています。
日常的に、買い物や病院、仕事で行き来があるからです。

では、それぞれの町の年齢構成の山はどうなっているのか?

国勢調査ベースで一番多い年齢層を見ると

・有田市は70〜74歳が最多
・広川町も70〜74歳が最多
・有田川町は65〜69歳が最多

湯浅だけが特別に高齢化しているわけではなさそうです。
沿岸部を中心に、有田エリア全体で70代前半が厚くなる傾向があるように見えます。

一方で、有田川町だけが少し若い層(65〜69歳)にピークがあります。
これは面積が広いこと、生活の拠点が分散していることが関係しているかもしれません。

たとえば、国道480号沿いや、道の駅 明恵ふるさと館のような施設を中心に、車での移動を前提にした暮らしが多く、働きながら住み続ける層が、もう少し長く町に残っている可能性もあります。


人口規模が近い町を並べてみる

高知県室戸市と岩手県一戸町の年齢構成

湯浅町の人口は約1万1千人。
同じくらいの人口規模として、高知県室戸市と岩手県一戸町を選んで比べてみました。▶市町村人口ランキング

2020年の国勢調査で見ると

・室戸市の最多年齢層は70〜74歳
・一戸町の最多年齢層は65〜69歳

湯浅と同じように70代前半が多い室戸市。
でも、ここはもう少し人口の「濃さ」が違って見えます。

室戸市は高齢化率が非常に高い自治体です。▶室戸市の人口動向
国道55号を使って室戸岬まで行くようなあの距離感。
それだけで、若い世代が町に残るのが難しいという空気が伝わってくるようです。

観光施設として室戸世界ジオパークセンターのような場所はあるけれど、住む人の年齢構成はまた別の話。
観光客は増えても、住む人は増えにくい。
そういう現実が、70代前半の山をより強調させている気がします。

一方、一戸町は一段若い65〜69歳が中心。▶岩手県一戸町の人口変化
理由のひとつとして、一戸インターチェンジや国道4号など交通の利便性があり、通勤や通学の選択肢が確保されている点が挙げられそうです。

加えて、奥中山高原のように自然と暮らしが近い環境があると、働き盛りの世代が長く残るような気もしています。
あくまで仮説ですが、比較すると湯浅町の立ち位置がより見えてきます。


まとめ

湯浅町の年齢構成の答えはシンプル。でもその意味は奥が深い

湯浅町で最も多い年齢層は、70〜74歳。

この傾向は、有田市や広川町とも共通していて、圏域としての特徴があるといえそうです。

一方、有田川町や岩手県の一戸町のように、少し若い層(65〜69歳)が中心となる自治体もあり、山の位置に違いが出るのもまた面白いところです。

室戸市のように湯浅と同じ70代前半が中心の町でも、高齢化の進行具合や生活スタイルによって見え方が変わってきます。

そして、私が気になっていることがあります。
この山は、5年後にはそのまま75〜79歳にスライドしていくということ。
町の真ん中は、そのまま上にずれていきます。

国道42号沿いのお店の品揃えも、湯浅駅前の空気感も、町全体がゆっくりと変わっていくはずです。

いまの答えは「70〜74歳」
でもこのあと、町の重心をどこに置き直すのか。
角長のある町並みの語りを、次は誰が担うのか。

結論はすでに出ているけれど、私の中では問いが続いています。
湯浅の変化のしかたを、もう少しだけ見つめていたいと思っています。


湯浅町の年齢構成を調べながら、数字以上に風景が思い浮かびました。
平日昼間のスーパーや図書館、町役場の窓口で交わされる何気ないやりとり。
その背後に、70代前半という厚みが確かにあると感じます。

ただ、この山はそのまま5年後には75歳から79歳に移る。
そのとき、町はどう変わるのか。
角長の醤油の町並みの語り手は誰になるのか。

結論が出た後に、また別の問いが出てくる。
そんな町の空気が、私はやっぱり好きだと思いました。


 

人口と世帯数(令和7年12月1日現在) 湯浅町公式サイト